この不調を通して。。

この非常事態宣言下で心と体のバランスを崩す方が増えています。

私たちの治療院はただいま休業させて頂いています。そんな中、心と体のバランスを崩し自律神経の働きが不調になっていらっしゃる方から多数お問い合わせを頂きます。そのような皆様に少しでもお役に立てればと、今感じることをお書きしたいと思いました。

 

「少しずつ明るい兆しが見えてきているのに、何か体の不調が続いている、なんとなく調子が上がってこない。。」今の時期、さまざまな体調不良を抱えていらっしゃる方が少なくありません。

 

私たちはコロナ禍で当たり前であった日常を失いました。この数ヶ月の間、誰もが世界規模で起こっている前代未聞のニュースに胸を痛め、感染を怖れ、経済的な不確かさに不安を感じて過ごしてきました。時には家族でストレスをぶつけ合っていたかもしれません。その心の負担が体に表れないはずはないのです。

私たちの体は心に素直に反応します。この数ヶ月に起きた体の不調なのであれば、きちんと向き合うことで意外と早く体が調っていくかもしれません。

なんとなく眠りが浅い。眠れない。

だるい。頭が重い。胃腸の調子が気になる。微熱があるように感じる。肩や背中が硬く凝り固まっていて息がしづらい。どこからともなく不安が押し寄せてくる。。それらの症状は、心が安心を求めてさまよい体に送っているサインなのです。正しい方法で自分の心と体に向き合い対処することで、体の不調を自ら癒やすことができるはずです。

まずは自分のこの数ヶ月の生活を思い起こして下さい。

ニュースが気になって夜寝る直前までスマホをいじっていませんか?

昼夜逆転して朝の光を浴びずに生活していませんか?

漠然とした不安やストレスを食欲で解消しようとしていませんか?

少しずつ積み重ねた悪癖や過度な心配が、心と体の歯車をかみ合わなくしていくのです。

けれど、自分で自覚した分だけ、自分で修正していくことはできます。急がば回れ、少しずつ積み重ねたものは少しずつ改善して、新しい習慣を作っていけばいいのです。

夜眠る前に5分でもいい、心のざわめきを消していくための呼吸法をすることは、眠りの質を高めます。最初はざわざわしっぱなしかもしれません。けれど、諦めずに座る習慣を(つらければ寝たままでも)つけましょう。次第にその時間がこの上なく安らぐ時間になっていきます。そうなればしめたものです。少しずつ時間を増やしていきましょう。

朝ご飯は軽くても良いので、できれば和食中心で良く噛んで頂きましょう。体が目覚めてくれます。様々な発酵食品を工夫して取って下さい。腸内細菌がよく働くとホルモンの分泌も正常になります。

お風呂上がりに体が緩んだ時を使って、ストレッチやヨガを無理なくしてみましょう。自分の体の筋が伸びて縮こまっていた体がほぐれていく感覚とともに、呼吸が深くできることを感じるはずです。ピンチはチャンス。分離していた心と体が対話することを通して、体の発しているメッセージを受け取りましょう。

不安な気持ちが湧いてくるのであれば、どんなことが不安なのか、湧いてきた不安をノートに書き綴りましょう。自分の気持ちを客観的に見直すことによって、漠然とした不安は薄らいでいきます。少しずつの変化を感じ取って下さい。必ずいい流れができていきます。

 

確かに私たちを取り巻く環境は一変しました。けれどそれ以前の日常は、果たして波風一つ立たない平穏無事なものであったでしょうか?世界規模で見ても綱渡りのような危ないバランスの上に成り立つものではなかったでしょうか。形のない不安や自分を取り巻く不調和、それらが積もり積もって表れたさまざまな症状。社会が強制的にブレーキをかけられたことで、より浮き彫りになった諸問題。形に表れているからこそ対処の糸口が見つかるのだと、そしてそれによって以前より良くなるきっかけを貰っているのだと感じることは大切です。すべて一つずつ、表れることで確実に個人は成長し、自らを健康に導き、周囲と調和して、世界全体も良い方向へと向かっているのではないでしょうか。